経済的損失大きい内断熱マンション
Sさんのような事例が、今後ますます増えることは容易に予想される。すでにマンションは供給過剰状態にあり、入居者不在でスラム化しているゴースト・マンションもある。バブル期に建てられた高額マンションや、かなり立地条件が悪いマンションがマスコミに取り上げられているが、今後は、結露被害が多いマンションやコンクリートにクラックが入ったものが続々と話題になってくるだろう。ンションには、構造体としての耐用年数があるが、それは水蒸気理論を考慮しない構造計算第ではじき出した数字である。仮にその計算で耐用年数が長いものでも、実際にはそれほどの耐用年数はないため、資産としての価値が数年で大きく下落する場合もある。そうした場合に、賃借人ならばより良質な物件を探して移り住めばいいことだが、マンション購入者はそうはいかない。購入者にとって資産価値の下落は大きな問題になる。さらに、Sさんのようなマンション・オーナーの場合は、もっと深刻な問題となる。例えば、借り手側の住民から健康被害の加害者として訴えられる可能性もあるし、口コミなどによって入居者が現れなくなる可能性もあり、これらはマンション・オーナー特有の悩みである。Sさんは老後のために資産を投入し、マンションを購入した。毎月安定収入を得られ安泰だと思いきや、なけなしの蓄えまで使い切ってしまう可能性さえ出てきたのだ。これはまさしく異常事態である。経済的損失もはなはだしい限りだ。