悲劇のマンションオーナー

悲劇のマンションオーナー

さて、ここで再びマンション被害の実例を紹介したい。これまで住人の被害状況の事例から結露問題を取り上げ、内断熱と外断熱の違いについて説明してきたが、マンションの貸し手側にとっても、いま深刻な問題が多数もちあがっている。第一次マンションブームの頃に建てられた物件は、いま建て替えの時期を迎えているといわれている。築三○年もしないうちに、コンクリート造のマンションが建て替えとは、海外からみればこっけいな話だが、日本では実に深刻な話になっている。いまから五年前、Sさんは、築七年の中古マンションを一棟購入した。鉄筋コンクリート造、五階建ての建物で、戸数は全三○戸、各戸の大きさは約五○平方メートルの二LDKである。当時六○歳だったSさんは、老後の安定した収入を得るためにこのマンションを購入したのだった。マンションの管理は民間の管理会社に委託している。Sさんのように家賃収入で生計をたてている方は日本全国に大勢いるだろう。まずSさんの話を紹介しよう。「暖かい時期にはそれほど面倒な事件もありませんでした。購入する時に見せてもらった各部屋もまずまずの状態でした。ところが冬になると、一階の北側と西側の部屋の結露が激しく、どうしても結露が止まりません。時には結露水が壁をつたって流れるほどです。管理人もお手上げの状態でした。入居者からも苦情が寄せられます。

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