悲劇のマンションオーナー

住居の修繕にあたって

知り合いの設計事務所に相談し、押し入れや壁に断熱材を取り付け、結露防止工事を行いました。にもかかわらず効果はほとんどありませんでした。冬の間はもちろんですが、三月に入って暖かくなっても、まだあちこちの窓に結露が発生しています。入居者の方も、さまざまな結露対策を試みています。窓用の結露吸い取りテープや、押し入れ用の結露水を集める容器、また居室には除湿機を蔓あらゆる結露防止グッズを使ってもらっています。でも、結果的にはこれだけ水が取れたという満足感を得るだけで、結局は、根本的な結露防止にはなっていないのです。入居者が引っ越した後、内装材(クロス)の張り替えを行いますが、これには一戸当たり三○万~四○万円もの費用がかかります。二年程度で入居者が入れ替わってしまえば、その他の修繕部位と合わせると、改修費用を回収することができません。クロス張り替えのために結露が激しい空き部屋に入ると、カビの胞子が室内に飛び散りカビの臭いが充満しているのです。結露水が内装下地の石膏ボードまで染み込み、下地材までおかしくなってきました。カビの根が下地材にまで入り込んでいるから、クロスを張り替えてもその黒ずみが表に出てしまいます。また、断熱を補強するために貼った断熱ボードの裏側にまでカビが生えているのです。断熱改修をしてもたった一、二年で、異様な匂いがするようになってきました。これでは入居者がいなくなるのではないか、という不安がいつも脳裏をよぎります」

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