この憤りを誰にぶつければよいのか
「一階部分に特徴的なことは、両端の部屋で結露が激しく、カビが異常発生しています。二階より上の階では、窓の内側に結露しますが一階に比べれば軽いもので、壁に結露水が流れ出すまでにはなりません。けれども、カビによるクロスの汚れは目立ちます。ことに冬季は押し入れの中、畳下、外壁下端、ダンスの隅などが常に湿っています。最近、コンクリート造のマンションの結露やカビ、ダニ、室内空気汚染の問題が取り沙汰されています。私のマンションは町の中心部に近いため、入居状況は現在のところ良好です。しかし、入居者の入れ替わりが激しく、常に入居者募集をしていなくてはいけません。新しくきれいなマンションは入居者も集まりますが、老朽化してくると、急激に入居率は悪くなります。入居者から結露の苦情が出るたびに、精神的にもだんだん疲れてきます。最近、結露対策には外断熱にするといいと知りました。最初に外断熱の話を聞いていれば、あるいはこのマンションが外断熱の建物であれば、業者や設計事務所の人たちが熱や結露の問題を理解してくれていたら、こんな問題は起こらなかったでしょう。いまのままでは改修費用さえも出てきません。コンクリート造のマンションでは、入居者に住むに値しない環境を提供しているという罪悪感に悩まされます。器だけつくる建築業者は、こういった苦情を聞いてはくれません。裁判を起こしたければ起こしなさいという態度です。この憤りを誰にぶつければよいのでしょうか。国、特に建設省には責任はないのでしょうか」Sさんの悲痛な叫びは、日本のマンションオーナーの現状を象徴している。このような被害や経済的損失が拡大していくのを、私たちはこのまま黙って見過ごしていいのだろうか。
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